long_logo2.jpgartwork.jpgichioku_on.jpgippin.jpg 目指せ一億画素!: 2007年08月 Archives

2007年08月29日

機材の改造 その6 フランジバックの呪縛

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image:NIKON D200 + PC NIKKOR 28mm F3.5

BP-4 + SIGMA 28mm F1.8改でもう一つ確認したいことがあった。
それは、このフランジバックという縛りから逃れる事ができればもっと多くのレンズが使用できるのではないかということだ。そしてこれは無限遠を確保しつつシフトやスイングの動作領域を十分確保することも可能となるはずだ。しかし、そのためにはレンズ本体の大がかりな改造を伴うのだが…。
同じようなことを考え実践している方の記事を見つけた。
ノルウェーのネイチャーフォトグラファー、Bjørn Rørslett(ビョルン・ルールスレット)氏のサイトに詳しく解説されている。
The PC-Nikkor 28 mm f/3.5 Modified Tilt/Shift Lens
http://www.naturfotograf.com/index2.html
(なぜか、目的のページのURLが表示されないので次の順でたどる
左のメニュー「Lenses」→右ページの表示が変わるので下の方「Wide-angles (14-35 mm)」→レンズ評価のページになるので下の方「28 mm f/3.5 PC-Nikkor」この本文中に「TS 28」とリンクの張られたテキストがあるのでこれをクリック)

氏はPC NIKKOR 28mm F3.5に与えられた素質をさらに高める工夫をされている。
PC NIKKOR 28mm F3.5はシフトさせて使用することが前提なのでイメージサークルが十分に広く設計されている。当然その際の収差も考慮されているはずだ。しかも上の写真からも分かるとおり、レンズ後端はフランジよりも4mmほど前方にあり、バックフォーカスは十分に長い。
ルールスレット氏はPC NIKKORが「本当のシフトレンズ」(氏のサイトの中ではティルトと表現されているが、私がスイングといっていることと同義である。そして、このティルトとシフトの両方ができなければ、本当の意味でシフトレンズとは言えないと氏は言う)に成り得ると考え、ヘリコイドからマウントまでを取り去り、小さなベローズに取り付けている。このあたりは私のSIGMA 28mm F1.8改と同様の考えのようだ。
サイトにはいくつかの作例が載せられており、近景から遠景までしっかりピントの合った作品が見られる。
ルールスレット氏の試みは偶然にもBP-4 + SIGMA 28mm F1.8改が目指したものと全く同一のアプローチである。氏もまた、ピント領域のコントロールのため、今となっては希少な一本の尊いレンズを犠牲にしている。私のジャンクレンズとは気合いが違うのだ。(私なんかと比べちゃ失礼ですよね。すみません)
また、ルールスレット氏はたくさんのレンズの評価を行っていて、とても参考になる。私の気に入っているレンズが高い評価を与えられていたりすると、なぜかとても嬉しい。英語で書かれたサイトだが、今は便利な世の中だ。サイトの自動翻訳等を使用すればで多少ヘンテコな日本語になってしまうが、意味は十分理解できるはずだ。
ぜひご覧いただくことをオススメする。

Posted by 天一郎 : 00:32 | コメント (2) | トラックバック (0)

機材の改造 その5 フランジバックとバックフォーカスについて

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Left:PC NIKKOR 28mm F3.5 Right:Nikkor Auto 28mm F3.5

NIKON PB-4を使ってのアオリ撮影ではフランジバック(マウント部分のフランジからフィルム面あるいはCCD等の撮像面までの距離)の確保から90mm以上のレンズが適当とされていることは前にも書いた。もっともこれはNIKKORのFマウントレンズがそのまま使えるという意味ではなく、引き伸ばし用のレンズやフランジバックがNIKONのFマウントよりも長い距離のレンズを使用する事が前提だ。この時、使うレンズに合わせてマウント部分を工作する必要がある。
もちろんNIKON PB-4に限らず、他の手段を用いてのアオリ撮影においても同様だ。
ここでフランジバックとよく混同されて言われるバックフォーカスについても整理をしておく。
フランジバックとはカメラボディのレンズを取り付ける金属のリング状の部分、フランジから撮像面までの距離で、各カメラメーカーがそれぞれ独自の数値を採用しており規格化したものだ。
ちなみにNIKON Fマウントのフランジバックは46.5mmとなっている。
他社のフランジバックを幾つか紹介すると、
Leica M Mount→27.8mm
Canon EOS Mount→44.0mm
Minolta α Mount→44.5mm
Olympus OM Mount→46.0mm
Nikon F Mount→46.5mm
Mamiya 645 Mount→63mm
Bronica ETR Mount→74mm
Hasselblad Mount→74.9mm
Pentax 67 Mount→85mm
Mamiya RZ Mount→104mm
Mamiya RB Mount→111mm
35mmフォーマットではNIKONが比較的長いようで、ブローニー版のカメラではさらに長いフランジバックが設定されている。
ちなみにCanon EOSのボディにNIKON用交換レンズを取り付けることは、フランジバックの数値に2.5mmの差があり、この差を埋める専用のアダプター等を使用すれば簡単にできるが、逆にNIKONボディにCanon EOS用のレンズを取り付ける事はできない。仮に取り付けたとしても、無理矢理ボディにめり込ませるような取り付け方をしない限りは近接にしかピントが合わず、無限遠が出ないのだ。

そして、バックフォーカスとはレンズの設計上生まれる数値で、レンズの後端から撮像面までの距離のことである。この数値については何ら規格化されたものはない。したがって、同じ焦点距離、開放F値を持ったレンズであってもバックフォーカスは様々である。
強いて言えば開放F値の数字が大きい(暗い)、望遠系のレンズは比較的長いようである。上の写真はPC NIKKOR 28mm F3.5とNikkor Auto 28mm F3.5の比較であるが、PC NIKKOR 28mm F3.5の特殊な素性が分かると思う。
シフトさせるためにレンズの後端付近はすっきりと何もなく、かつバックフォーカスを長くしているのが見て取れる。

Posted by 天一郎 : 00:26 | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年08月24日

機材の改造 その4 NIKON PB-4を使ったアオリ撮影 近距離編

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上:NIKON D200 + BP-4 + SIGMA 28mm F1.8改 下:NIKON D200 + SIGMA 28mm F1.8D EX DG MACRO

もっと近距離でのBP-4 + SIGMA 28mm F1.8改での広角アオリの作例が見つからないのでチョコチョコっと撮ってみた。
5本のレンズを一列に並べてピント領域の変化を比較している。上がアオリ撮影だ。下はF値が同じ別のレンズで撮影したもの。いずれも絞りは開放。被写体までの距離は撮像面までで、一番手前のレンズが28cm、一番奥のレンズが55cmでこれも両方とも同じにしてある。アオリ撮影の方は危ういが何とか全部のレンズにピントが合い始めている。しかし、このシステムを使う気にさせない最大の理由は、とにかくピントが合わせづらい。そりゃ当然だ。本来は下の作例のような領域にしか合焦しないところを、無理矢理に引っ張っているのだから、F1.8というスペックもNIKON用レンズとしては明るい部類に入るので、ボケ味にこそ評価のポイントがあるのかもしれない。またトリミングしているので分からないが、アオリの方は各レンズの数字の刻印部分にのみピンが来て、その後方はボケているという何とも不自然な写り方になってしまった。もしも全てのレンズにピントが欲しいならここはやはり、素直に絞り込んでパンフォーカスを期待すべきだ。さらに被写体の変形をコントロールするならば、このシステムでも十分使えるが、建築物を撮影する場合に多用するであろうフロントスタンダードのライズ、フォールはシステム全体を90°ひっくり返さねばならない。そうなると、PC NIKKOR 28mm F3.5の方が断然ハンドリングがよい。以上のようなことから使い道の定まらないシステムとなってしまった。

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機材の改造 その3 BP-4 + SIGMA 28mm F1.8改 詳細

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fig.1,2,3:NIKON D200 + BP-4 + SIGMA 28mm F1.8改

まず、NIKON PB-4について説明すると、30年も前の純正のベローズシステムで、これを使ってマクロ撮影や、スライドの複写などができる。このPB-4にはフロントスタンダードのスイング、シフト機能が備わっており、大判カメラをそのまま小さくしたようなところがある。
このPB-4を使ってアオリ撮影を行うというのはよく知られたところであり、暗室作業で引き伸ばしに使用される90mm以上のレンズなどがよく使われている。これらのレンズはコンパクトなので凹みボード状のものを作ることができれば割と簡単に取り付け、無限遠が出せる。イメージサークルも広くアオリ、シフトを駆使することができるので、商品カットなどでは非常に重宝する。
しかしもっと広角域でピントをコントロールできないだろうか?そんな疑問もあって、実際に行ってみたわけだ。
取り付けているのは、何とも手作り感たっぷりのレンズだが、もとはSIGMA HIGH-SPEED WIDE 28mm F1.8Ⅱ、れっきとしたAFレンズだった。これを分解してヘリコイドおよびAFに関するユニットを全て取り去った。レンズとそれを支えるケースの状態にし、前群後群に分けネジで着脱できるようfig.3の様に改造した。金色の部品はとりあえずのもので、コーヒーの缶を切り刻んで作った絞り羽根を動かすレバーだ。
fig.1はPB-4にD200とSIGMA改を取り付けた状態。実際に撮影するときにはこれにビニール製の蛇腹が加わる。なぜこのレンズに目をつけたのか、理由はfig.2にある。このレンズの断面図を見ると絞り羽根から後ろの部分がレンズのユニットのみの状態でにょっきりと出ている。これならば後玉の部分がカメラ内部に入り込み、バックフォーカスをクリアしつつシフトスイングが可能なのではないかと考えた。入手したレンズはジャンク品でAFが正常に作動しないというものだった。ドナーとしては最高の条件を備えていたのだ。
結果からみれば、一応の効果は認められる。ただ画質に難がある。理由はSIGMA HIGH-SPEED WIDE 28mm F1.8Ⅱには距離に応じてレンズの繰り出し量を変化させる機構があったのだが、それを取り去ってしまったこと。さらにイメージサークルは十分に確保できているが、想定外の部分を使用していることによる収差や流れが確認できる。
以上のような理由から、このシステムは現在お蔵入りとなっている。
しかし、このプロジェクト(大げさ…)を始める前から予想していた部分と、実際にやらなければ分からなかったことがあったというのは大きな収穫だった。

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機材の改造 その2 改造レンズをNIKON PB-4に

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image:NIKON D200 + BP-4 + SIGMA 28mm F1.8改

では、次にNIKON PB-4に改造レンズを取り付けて撮ってみた。ベースとなったのはSIGMA HIGH-SPEED WIDE 28mm F1.8Ⅱである。機材については後に詳しく説明する。
レンズは28mm F1.8で同じく開放にセットした。これを撮像面に対してシフトとスイングを併せて行っている。つまり大判カメラと同じ機構を与えているわけだ。その成果があって、後方のヘルメットにまで一応ピントは来ている。
この日は風が強く、晴れたり曇ったりの状態だったので雰囲気が違うが、容赦願いたい。細かく見ていくと、いかに薄いピント領域を無理矢理引っ張っているかが分かると思う。フロントのウインカーレンズを見ると、向こう側の方は早くもぼけている。また元々想定されているイメージサークルを大きく超えた範囲を使っているので収差や流れも発生しているようだ。
被写界深度の深い広角レンズといえども、被写体との間合いによっては過焦点距離によるパンフォーカス撮影が困難な場合があるわけだが、このシステムを使用することで、奥行きのある被写体でも端から端までピントを合わせることが可能であることが実証できた。
ともかく、普通のレンズでは撮れない写真を得られた事の意味は大きい。作例ではあえて開放で撮っているが、さらに絞り込むことで解像感はさらに向上する。

Posted by 天一郎 : 20:28 | コメント (0) | トラックバック (0)

機材の改造 その1 被写界深度の許容範囲

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image:NIKON D200 + SIGMA 28mm F1.8D EX DG MACRO

勘の良い方ならそろそろ「目指せ一億画素!」の主旨が分かってしまったかもしれないが、その前にD200で「どんなことがやれるだろうか?」と、取り組んできたことをお話ししたい。前にも書いたが、D200の性能をフルに引き出すレンズを(なるべく安く)探し求めることになったわけだが、よく使う焦点距離28mm、ざっと数えただけでも5本もある。いろいろと買い集めては納得がいかずまた買い足すといったことを繰り返した結果だ。そしてPC NIKKOR 28mm F3.5なんてものもある。シフトできるレンズだ。
ところで、一般的な35mm一眼レフカメラが中・大判カメラと比べて、カタログ的な商品撮影や広告写真に不向きな点を一つあげると、被写体の歪みとピントの範囲がコントロールできないということだ。4×5や一部の中判カメラではフィルム面に対してレンズを自由に動かせるが、この機構のおかげで被写体の歪みやピント範囲をコントロールできる。歪みを補正するならフィルムに対して平行にレンズを「シフト」させれば良く、奥行きのあるものの端から端までピントを合わせたければレンズを回転させる「スイング」を併せて使う。ちなみに横方向への平行移動はシフトだが、上下方向の移動は「ライズ、フォール」と呼ばれる。
PC NIKKOR 28mm F3.5は、この機構のうち「シフト」が行え、そのまま回転させることで「ライズ、フォール」ができるように工夫されている。このPCというのは「Perspective Control」の略で、建築物の遠近に伴うパースペクティブを補正する事が目的だ。加えて、広角レンズが持つ深い被写界深度を活かせば、たいていの建築物撮影で困ることはないはずだ。
クルマの撮影で広角レンズを使用する場合、よほど意図しない限りパースペクティブを補正することはない。それよりもクルマの前端から後端まで、しっかりとピントが来て欲しいのだが、実際にはそうはいかない。Nikkor Auto 28mm F3.5を使用して、クルマを8:2の角度で撮影する場合を例にしてみる。仮に撮影位置から前端まで約2mとすると後端までは約5〜6mとなる。この時フロント周りにピントを持ってくる、絞りはF8とする。しかしリア周りにはピントは来ていない。レンズ本体に刻まれている被写界深度目盛りによるとF8の時に2mにピントを合わせると5mまではピントの中であるにもかかわらずだ。いや、正確を期す言い方をすれば、Photoshop上でA3サイズ程に引き延ばした画像を200%で表示した場合、リア周りはぼけている。もちろん私が必要としているピントへの要求が高過ぎるのであって、本来は印画紙にプリントされる場合には十分「許容範囲」なのだろう。さらに絞り込むとどうだろう。目盛りによるとF11では1.1mから10mまでの距離が被写界深度の中だ。しかし撮り上がったデータは全体にシャープさが失われている。小絞りボケの影響が出始めるのだ。
もともと、35mmのポジをA3まで拡大するような使い方は昔からしない。特に商品をしっかり見せる広告写真に、引き伸ばしの限界が高くない35mmというフォーマットは不向きなのだ。それを35mmフィルムのサイズにも満たないAPS-Cサイズの撮像素子のD200に求めているのだから無理も当然ということなのだろうか。
現在、大判カメラにデジタル一眼レフを取り付けるシステムはいくつか販売されている。メリットは先に述べたように、歪みとピントをコントロールできることにある。しかしどのシステムも取り付けレンズには制約があり、90mm以上でなければ使うことができない。フィルムサイズの大きな大判カメラにとっての90mmは、広角レンズではあるのだが、35mmフォーマットでは当然90mmの中望遠であり、APS-Cサイズにしてみれば135mm相当の望遠レンズとなってしまう。そのうえどれも非常に高価なのだ。
作例を見ていただこう、先に述べたような条件を作った。あいにくクルマが用意できなかったので、オートバイとその後方に置いたヘルメットでピントを確認して欲しい。オートバイの前端からヘルメットまでは4.7m。一般的なクルマの長さに相当する。
レンズはSIGMA 28mm F1.8D EX DG MACRO。差がわかりやすいようにあえて絞り開放で撮った。フロント周りのピントは問題ないがヘルメットはぼけている。

Posted by 天一郎 : 20:13 | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年08月20日

画素数にこだわる理由 その4 足りない解像感は描くしかない

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Left:4×5からドラムスキャナでデジタル化 Right:1000万画素クラスのデジカメの画像にPhotoshopで修正を加えた

普通コンピュータ上で写真を鑑賞するだけならば理論上72dpiの解像度で事足りるわけだ。しかし印刷には350dpiの密度が必要とされる。もしもPhotoshopなどの画像編集ソフトにピクセルを拡大して表示する概念など無ければ、これほど躍起になってピクセル単位で絵を追い込む作業も必要ないのかもしれない。しかし、目の前には拡大されて無惨なノイズにまみれた画像データがあるのだ。グラフィックデザイナーであれば、これを見逃すことはできないだろう。こうして苦難の作業が始まる(笑)。
もちろんこれらの作業は「デザイナーの自己満足」のためにやっているわけではなく、仕上がりに歴然たる差が出るのだ。未修整の状態では解像感だの空気感だのと言えるようなものではない。
結果は上の写真データを見ていただくとして、このような作業を画面全体に施していく。この時に必要なのが現場で同時に撮った資料写真だ。対象がクルマならば、要所要所のディティールをなるべく高精細に押さえておく。それを参考にしながら描く作業を進めるわけだ。
ひょっとしたら、これは既に写真ではないのかもしれないと、時々思う。もしかしたらリアルイラストレーションと呼んだ方が良いのか。いや、そもそもデジタル化された画像データは写真なのだろうか?
前述したとおり、3600万画素クラスのデジタルカメラが一般化されるまではこのような作業が必要なのだと思っていた。4×5や6×7の大・中判カメラにデジタル一眼レフを取り付けるシステムが存在することを知るまでは。
次から「機材の改造」カテゴリーへつづく

Posted by 天一郎 : 16:52 | コメント (0) | トラックバック (0)

画素数にこだわる理由 その3 ピクセルが足りない

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Left:4×5からドラムスキャナでデジタル化 Right:1000万画素クラスのデジカメの画像を拡大して使用

話は前後するが、印刷・出版がデジタル化したのはかなり早い時期だ。私自身デザインをMacで行うようになったのは1992年からとなるのだが、この頃はまだ版下として出力し、写真はポジを別添で製版へ引き渡していた。
それから徐々に写真の加工をするようになり、ポジの代わりにピクトログラフィーという熱昇華プリンターで出力したプリントを添えていた。はじめは電線などの不要なものを消したり、ゴミを取ったり、いわゆる「レスポンス処理」的な事に使用していた。このレスポンスというのは大手の印刷会社が所有する機械で、画像をデジタル化して修正等を行っていた。確か専門のオペレーターがいて時間当たり数万円という感じで運用されていたと記憶する。この高コストな処理に代わって、デザイナーがPhotoshop等をオペレータ的な作業に使っていたわけだが、徐々に表現の手段としてフィルターを掛けたり、変形を施したりと、それまで見たこともない写真が広告を彩るのに時間はかからなかった。大手印刷会社もDTPの可能性を啓蒙しはじめるに至って、インフラは一変し、1995年頃にはフルデジタル入稿が可能となっていた。
しかし、それでも画像のソースそのものは相変わらずカメラが撮ったポジをスキャンすることに代わりはない。ほんの5〜6年前の話である。
ただし、小さな写真や合成するためのパーツはデジタルカメラのデータを使い始めていた。記憶が曖昧だが1998年頃だったか、知り合いが「デジタルCAPA」という雑誌の編集部にいて、「仕事にデジタルカメラを使っている人」として取材をさせてくれと依頼が来た。ポジからスキャンしたデータ上に、角度や見え方を合わせて、なるべく大きく写るようにデジカメで撮ったパーツのデータを合成する流れを見せたと思う。そんな時代を経て今日のようにデジタルカメラが画像のソースとなるのには、絶対的な画素数の問題があったためか、時間がかかったように感じる。
いや、今も画素数不足の問題は変わらない。上の比較写真は左が4×5からドラムスキャナでデジタル化したもの。右が1600万画素クラスのデジカメの画像を拡大して使用した状態のもの。似たようなパーツの部分を画面上200%で表示した時のものだ。一目瞭然である。右のデータはこのまま使うわけにはいかないので、これからなるべく左のような滑らかなものになるように修正を施していく。実際には修正と言うよりも「描き直し」と言った方が適切かもしれない。

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画素数にこだわる理由 その2 デジ一でB3サイズは無理がある

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Left:Nikkor Auto 28mm f3.5 Right:AF MICRO NIKKOR 60mm 2.8D

D200に古いレンズを取り付けて路地や雑踏、野良猫なんかを撮るのは楽しい。それほど金を掛けることもなく、楽しめる道楽であった。
しかし、状況が変わった。このブログの「ART WORK」にあるような、クルマの撮影を行う必要が出てきたのだ。これまでは大判カメラにポジフィルムというのがクルマ撮影の王道だったわけだが、ここ数年で35mm版デジタル一眼レフのデータを使用することが多くなった。デジタルデータはもちろん、便利であることは間違いないのだが、いかんせん画素数が足りない。
雑誌広告は見開きで大体A3サイズぐらいなのだが、時には同じ素材で見開きB3サイズのカタログを作る事もあるのだ。B3というのは相当でかい。印刷の適正な解像度と言われる350dpiで換算すると5016ピクセル×7096ピクセルおよそ3600万画素が必要になる計算だ。しかし手元にあるのは大きくてもCanon EOS 1Dなんかで撮ってもらった1670万画素。D200なら1020万画素しかない。これを単純に拡大しては絵が崩れてしまって使い物にはならない。精密な描写が求められる広告写真ではA3クラスの雑誌広告においてもそのまま使うことは、正直厳しい。
そこでPhotoshop上で荒れたラインやドットが見える面などを整える作業が必要となってくるのだ。また、このように限られた画素数で最高の解像感を出してくれるレンズを探し求めることになるのは当然の流れと言えるだろう。
ちなみによく使う焦点距離というのがあって28mmと60mmだ。まあ好みの問題もあるのだがあまりに望遠だとクルマがオモチャっぽくなってしまうし、広角過ぎるとデフォルメされすぎて、形がよく解らなくなってしまう。いずれにしても、ズームレンズでは描写に曖昧さが残り、仕上がりに眠さがつきまとってしまう。くっきりハッキリと線を描写できる単焦点レンズでなければならない。
D200にとってこの焦点距離で最高に解像感のあるレンズはNikkor Auto 28mm F3.5とAF MICRO NIKKOR 60mm F2.8D。中間を補うものとして、AF NIKKOR 35mm F2D、NIKKOR-H Auto 50mm F2。この4本があれば良い。
これが私の得た結論だ。(ちょっと極端ですか?)

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画素数にこだわる理由 その1 趣味なら1千万画素でも十分です

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Title:Nikkor Auto

以前、別のブログで「NIKON D200と巡るレンズ地獄」なんてものを少し書いていた。
これは2005年の暮れにD200を手にして以来、カメラにのめり込んでしまった顛末を書いていたものだが、あんまり長続きしなかった。書くネタが無くなったわけではなく、もうどうしようもないぐらいのめり込んでしまったためだ。
そもそもD200の性能には満足していたのだが、ひょんな事から手に入れた古いレンズが思いの外、高性能であることに衝撃を受けた。それまで使っていたキットレンズとは次元の違う解像感が30年も前のレンズで得られたのだ。それからというもの、ヤフオクで手頃なものを見つけては集めていた。
ターゲットはNikkor Autoと言われる金属鏡筒のものがメインである。高価なものは無く、ほとんどが数千円のものだ。いわゆるジャンク。もとより分解癖があるので、バラしてレンズのカビを取り、ヘリコイドのグリスアップをして、Ai改造まで、なんて事を喜んでやっていた。中には、ウレタン塗装で外装の化粧直しをしたものまである。
なにしろNikkor Autoは頑丈でシンプルな構造だったので素人でも分解組み立てぐらいはすぐにできてしまう。もちろん、光学機としての精度は望むべくもないのだが、それでもそれなりに写ってしまうところが楽しい。
こんな事に素人が手を出すというのは、いろいろご意見もあるかと思うが、私のところへ来なければ、ゴミとして捨てられてしまったかもしれないレンズ達に、もう一度活躍の場を与えることができたのでは、と思っている。
ともかく、趣味で楽しむ限りにおいてD200の1020万画素は十分な画素数であり、様々なレンズの性格を余すところ無く表現して見せてくれた。
ココまでは良くある(かな?)お話であるが、状況が少し変わった。長くなってしまったので続きは次回。

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